当グループに興味がある方へ
当グループでは、有機合成、錯体合成、触媒反応、光化学、分光学測定から、
遺伝子工学、酵素機能制御まで幅広いテーマを扱います。
「有機・錯体合成/反応機構解析」と「生化学系実験」のウェイトは、研究内容によって異なります。
なぜそうなるのかというメカニズムを考えながら研究を進めていくのが当グループの方針です。
実験技術の修得だけでなく、論理的に実験データを解釈し研究をまとめていく能力が養われます。
「合成をやりたいし、生体分子の研究もやりたい」「タンパク質機能を分子レベルで研究したい」人!
一緒に研究をしませんか?
具体的な研究活動および教育方針は、こちらをご覧ください。
見学・質問はいつでも大歓迎です。
松尾 貴史
電子メール: matsuo.takashi[at]naist.ac.jp
場所:奈良先端大 物質創成科学 E508号室
当グループの研究活動・教育方針
1.当グループの活動について
(1)「作業仮説→検証→論理的に考察→次の段階に進む」というプロセスを大事にしています。
学部や高専では、時間割通りに用意された講義科目の学修ですが、大学院では、自分の考えで計画を立てる訓練を積みます。文系・理系、アカデミア・企業問わず、「根拠や理由を述べて説明する」ということを求められることが多々ありますので、研究討議を通して、その能力が養えるように教育します。
(2)最初は基礎実験のトレーニングから!
当グループの研究テーマは多岐にわたっており、出身者のバックグラウンドもさまざまです。最初は基礎的な合成実験と生化学実験で”定番トレーニングメニュー”をこなしながら、各自の希望とグループの状況を考えて、独立したテーマでの研究を開始します。
「XXをやってみたい」という好奇心は大歓迎です。でも、単に「実験操作の体験」を希望するだけであったり、「有機合成」とか「タンパク質」とか、キーワードだけに飛びつくと、研究テーマについての本質的な理解が不足しているために、後々苦しくなります。
個々の実験操作は、あくまでも研究の「手段」です。その実験手法でどのような展開がなされているのか、詳細な研究内容を、必ず担当教員や修士2年以上の学生さんに聞いてください。
(3)考えることは将来の自分への投資!
決められた教科書や授業を聞くただけの活動は学部レベルで終わりです。
大学院という最高学府を出ると、それなりの能力を持ち合わせているという人と見られます。将来恥ずかしい思いをしないように、自発的に基礎知識の修得、文献調査をするようにしてください。
課題解決の労力のうち、1%は自分の頭を使いましょう。一方で、教員や先輩は、みなさんよりも歳をくっている分だけ、経験と知識は持っている(つもりです)。特に、M1の間は、残りの99%を教員や先輩に頼ってもかまいません。後輩の特権を存分に使ってください。
(4)大学院生活での時間を大事にしましょう!
NAISTは、いろんな大学や高専から集まった人が、改めて新しい環境とテーマで研鑽を積みます。
「修士1年の最初は講義を受講し、、、修士で企業に行くとすれば就活も入り、、、修士2年の2月には修論を提出し、、、」とシミュレーションをすると、デスクで研究の知識や情報を得たり、実験室で実験をする時間は意外と限られています。
大学院という最高学府に在籍するのですから、当グループでは「研鑽を積む」という大学院生としての本分を務めることを求めます。時間を有意義に使うようにしてください
(5)普段の研究室生活
1限の講義が始まる午前9時20分を活動開始の目安としています。実験の進捗状況やマシンタイムの都合で活動時間をずらす必要があるときは、教員に相談してください。
・研究活動のときは、実験およびその結果の解釈、実験の効率化などを常に考えながら集中してやること。
・談笑やお茶時間が長い、スマホいじりばっかりしていると、担当教員から雷が落ちます⚡️。
コアタイムは特に設けていません。ただし、研究が進んでいなければ、後々困るのは、学生さん本人です。
・したがって、時間の使い方を自主管理するように努めてください。時間管理が苦手な人は相談に乗ります。
・当グループの参加資格は「三度のメシより化学が好きで、作業仮説の検証に必要な実験と論理的思考を進んで行える人」
です。私的な用事を優先させるがために、必要な実験を途中で止めてしまったり、貴重な実験試料を無駄にしてしまうよ
うなことをすると、担当教員から雷が落ちます⚡️。
日・祝日の使い方は自由です。健康面からも、休むときはきっちりと休みましょう。
就活は、人生で大事なことですから、計画的に行ってください。就活で研究室活動を抜けるときは、前もって連絡するようにお願いしています。ただし、研究活動が停止してしまわないように、時間のやりくりについては相談に乗ります。
検討会(研究討論)と輪読および論文抄録会(2022年度は生物無機化学に関する勉強会と論文紹介):
月曜日17:30~ 検討会と輪読/論文抄録会を隔週で実施。その他、機能超分子化学研究室全体での報告会があります。
2.研究テーマについて
(1)研究テーマによって、実験手法のウェイトは異なります。
主として、合成化学と生化学の実験を両方を行うのが当グループの特徴です。機能評価までをカバーしますので、分光学測定のような物理化学的手法も使います。ただし、テーマによって、そのウェイトは異なります。
研究テーマの決定は、各人の興味、当グループの状況、学生さんの出身分野や卒論での実験内容等を考慮しながら、相談の上、テーマを決定します。上手く行かなさそうなときは、臨機応変にテーマを変更します。研究グループの動向が、設定する研究テーマに直結する場合がありますので、最新情報を得るには、当グループ教員にコンタクトをとるのが一番です。
(2)自分のバックグラウンドとは違うけど・・・と思っている方へ
当グループの教員も、大学院は別の大学に進み、専攻分野を変更した経験をもっていますので、専攻を変更する意欲を応援します。特に、生化学の実験をしたことがなく不安だという人へ。学部、高専本科で化学・物理学に関する標準的なカリキュラムを習得していれば、最初の基礎トレーニングで、当グループでの研究は十分可能です。生化学といっても、当グループでカバーする生化学は、学部や高専で使った有機化学や無機化学の教科書の最後の方に出てくる内容です。
(3)研究成果を世界に発信!
当グループの学生さんに在籍した学生さんは、ほぼ全員、何らかの形で学術論文の著者になっています(修了後に発表ということもあります)。がんばって実験して「あーでもないこーでもない」と議論しながら出した自分の研究成果(たとえ、figureやtableの中の一部でも)を世界の誰かが見ているということに、価値を感じていただきたいと思っています。